新天地

思考を止めるな

鍵のないドア

殴られる夢を見た 汗ばんだ肌と張り付いたTシャツ 遮光カーテンの奥の光がひどく鬱陶しくて、ため息を吐いた。

たまにあの頃の夢を見る。

大人の機嫌に振り回される日々、お金にばかみたいに振り回される大人をみると、ひどく陰惨な気持ちになる。いつまで経っても変わらないクズみたいな父親と、吠えるしか脳のないクズみたいな僕。

明らかに最底辺で、女を選んで殴る男は等しく頭が悪い。ほんとうは形がなくなるまで殴ってやりたかったけど、できない。僕の体が女だからだ。

 

目が覚めたら体がわたしのものじゃなかったので、この身体は捨てた。いつだってなんだって捨てれるから、執着なんかしないで。

 

大人になれば、なんて言うが 学歴・家庭・容姿の三拍子にコンプレックスのある人間がすり減らず自立して生きていくにはこの世はすこし厳しすぎて、冷静な判断力やセーフティーな考え方は持ってない人間にはできないことを知っている。

天は二物を与えるし、人は等しく平等ではない。

 

夢の中で殴られた頬があつい。

ゆるせない、いつまで経っても赦したくない。