上辺の清楚
爪を短くした。スマートフォンを指先で撫でてもあのカチカチとした音が聞こえてこないほどには。
わたしの愛した妹がいなくなってからもう半年だ。肝心の日付すら曖昧だった自分を嫌悪すると同時に1人の部屋で虚無感に苛まれた わたしのシナプスはどうにも信用できない。3ヶ月くらいだと思ってたのに!
妹がフローリングを歩く時のカチカチとした音が愛おしくて、聞けなくなって、もうどうしても切りたくなかった爪を切った。大人になるってこういうことなのかなあ 君はどう過ごしているの?この先を想像できるほどに時間は経っていないみたいだね。
丸くなったわたしの爪は、なんだか扱いづらくて爪がないと便利ですよなんて トリマーのお姉さんが言うことは大嘘だ。
妹についてどんな言葉も重ねられなかった、半年も経った今でも思考停止のままで、このカシスの指先は全く気持ちを紡いでくれなかった。あんなに気鬱だと思っていた心配性のわたしの最悪な妄想が現実になると、案外受け入れられないものなんだ 愛と家族について考えられないのはわたしの弱さなのかもしれない 告別式はまだできないみたいだね。ずっとそこにいてくれていいのに。ばいばいなんて言ってやるか。
お昼に食べたネギトロ丼がまずすぎて生魚嫌いがまた復活しそうです。ゆるせない